胃 腸 の 検 査


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食道  十二指腸 小腸 大腸 肝臓 胆嚢 膵臓 

食 道















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○X線検査

 バリウムを飲んでX線写真を撮ります。胃のバリウム検査といっしょにできて大変簡便です。
 ただし進行癌やT期の早期癌は見つけられますが、さらに早い0期の早期癌の発見はかなり難しいのが事実です。

○内視鏡検査

 内視鏡を口から挿入して、食道の粘膜を直接観察します。上部消化管内視鏡検査として胃・十二指腸と同時に検査するのが普通です。
 ヨード染色という方法を使い、1cm以下の0期の癌の診断も可能で、食道癌の診断ではX線検査をはるかに越えていると思われます。

※最も早い食道癌を見つけるためには、内視鏡検査が最善と思われます。




























 

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○X線検査

 バリウムを飲んでX線写真をとります。
 X線検査が得意でない医者が増えていますが、高い技術の検査では、5mm以下の小さな0期の早期癌の診断も可能です。また、内視鏡では盲点となりやすい場所の病変や広い範囲の病変(スキルス癌など)の診断ができます。
 検査時間は、食道・十二指腸を含めて10分前後です。胃カメラ検査よりつらくなく受けられると思います。

○内視鏡検査

 カメラを入れて胃の中を直接見る検査です。
 小さな病変の診断を得意にしています。また、良いX線写真が撮れないような患者さんでは、最良の検査となります。胃の細胞を採取することができ、癌などの確定診断が可能です。
 検査時間は、食道・十二指腸を含めて5分前後です。不得意な方は経鼻内視鏡(「最近の医療情報」のページに詳述)や麻酔をしての検査もしていますので相談して下さい。

○血液検査など

 「血を採ってペプシノーゲンを測れば胃癌の診断ができる」との主張がありますが、診断率は50%以下です。ある程度の見逃しも想定した集団検診と差がないとされていますが、適切な診断法とは言えません。
 血液・便などでピロリ菌の感染を調べる検査は、癌との関連は研究段階ですが、胃潰瘍の治療選択には有効と思われます。

※胃癌の発見のためには精度の高いX線検査、内視鏡検査を受けるのが最善です。

十二指腸

 

 

 

 

 

 

 

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○X線検査

 バリウムを飲んでX線写真を撮りますが、胃の検査と同時にできます。
 十二指腸は口に近い方から順に球部、下行部、水平部、上行部と呼ばれますが、すべての部位の診断が可能です。

○内視鏡検査

 カメラで観察し、普通は胃カメラ検査のとき同時に診断します。
 X線検査より微細な病変が発見できますが、球部、下行部より奥の水平部、上行部の診断はできません。

※十二指腸全体を見るためには、最初にX線検査をし、それで問題点があるとき内視鏡検査を受けるのがよいでしょう。

小 腸

 

 

 

 

 

 

 

 

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○X線検査

 口からバリウムを飲んでX線写真を撮ります。
 6mにおよぶ長い管ですが、お腹を押しながら口側から順番にバリウムの流れを追いかけて写真を撮ります。
 検査時間は20〜30分必要で、医師・技師が付きっきりになるかなり手間のかかる検査です。

○内視鏡検査

 小腸内視鏡という特別に長い内視鏡を口から入れて診断します。最近はダブルバルーン内視鏡という方法で全小腸が観察可能になってきていますが、外来で簡単に出来る検査ではなく、X線検査で見つけたものの精密検査とか、出血の原因を調べるといった特殊な状況で実施するものです。
 また、カプセル内視鏡という方法も小腸の検査には有効ですが、X線検査などで病変が疑われるときの精密検査で実施されるものです。

※胃・大腸に比べるとあまり多くはありませんが、癌・悪性リンパ腫・種々の炎症などいろいろな病気があります。胃・大腸の検査で異常のなかった方は、一度は小腸のX線検査を受けるとよいでしょう。

大 腸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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○便潜血検査

 便に含まれる目に見えない血液の量を調べます。
 簡便に大腸癌を発見でき、集団検診などで使われていますが、早期癌の50%、進行癌でも20%程度の見逃しがあるとされ、繰り返し受ける必要があります。
 症状があるとか、精密な検査を望むときは便潜血検査だけでは不十分です。

○X線検査

 お尻からバリウムを入れてX線写真を撮ります。
 平均1.5mの長い管で曲がりくねっているため、良い場所にあれば5mmくらいの小さな早期がんも見つけられますが、見づらい場所では大きな進行がんも見落とす可能性があります。
 潰瘍性大腸炎など癌以外の病気では内視鏡検査より診断に役立つことが多いと思われます。
 検査時間はおよそ15分程度で、痛みはほとんどありません。強い癒着があったり、腸が長いなどで内視鏡検査が困難な例では、最適の検査となります。

○内視鏡検査

 お尻から内視鏡を入れて直腸から盲腸まで直接観察します。
 全ての部で5mm程度の早期がんの発見が可能で、癌の発見ということからはX線検査より優れていると思われます。
 ただし現在の段階では医師の技術差の非常に大きな検査です。下手な検査では盲腸に届くまでに20〜30分もかかり、ひどく痛い。しかもこのような検査では見逃しも多くなります。
 今、トップレベルの検査は5〜10分で済むものです。ちなみに、当クリニックの吉田の盲腸到達時間の平均は4.9分、三宅は7.6分です。麻酔なしでも楽に受けられる検査を経験して下さい。

※大腸癌の精密検査としては、じょうずな施設で初めから内視鏡検査を受けるのがよいでしょう。ただし強い癒着などで内視鏡に向かない人は、レベルの高いX線検査を受けて下さい。各種の大腸炎の診断にもX線検査が有効です。

肝 臓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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○血液検査

 血液を採って10数種類の酵素や蛋白質などを測り、肝臓の働きや癌の存在を診断します。
 肝炎、肝硬変、脂肪肝など良性の病気の診断が可能です。肝臓癌については、腫瘍マーカーというものを測定して診断しますが、進行癌の一部で有効なだけで早期癌の発見にはほとんど無力です。
 血管腫・脂肪種など良性の腫瘍は、血液検査では診断できません。

○超音波検査

 お腹の表面から超音波をあてて診断します。
 腫瘍の診断が得意で、1〜2cm位の小さな肝臓癌や、血管腫・脂肪種など良性の腫瘍も発見することができます。
 腫瘍以外では、脂肪肝・肝硬変はおよその見当がつきますが、肝炎の診断は血液検査には及びません。
 検査時間は次の胆嚢・膵臓などの検査を含めておよそ15〜20分位ですが、痛みなどは全くなく安心な検査です。

○CT、MRI

 CTはX線、MRIは磁気を使い身体の断面を見る検査です。
 肝癌など腫瘍の診断が得意で、特に良性腫瘍と癌の区別に有効です。ただし腫瘍を見つける能力は超音波検査の方が上だと思われます。
 発見された腫瘍の良性・悪性の区別といった精密検査として行うのがよいでしょう。

※肝炎・脂肪肝・肝癌の診断のためには、血液検査と超音波検査を同時に受けるのがよいでしょう。腫瘍が見つかり、悪性も疑われるときはCT・MRIなどを受けるのが適切と思われます。

胆 嚢

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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○超音波検査

 お腹の表面から超音波をあてて診断します。普通、腹部超音波検査として、肝臓・膵臓・腎臓・脾臓などといっしょに一連の検査で行います。
 胆石・胆嚢ポリープなどは数mmの小さなものも発見できますし、早期の胆嚢癌も見つけられるようになってきています。
 胆嚢炎については血液検査との組合せで診断しますが、急性胆嚢炎は特徴的な所見により診断がつきます。

○血液検査

 胆嚢炎の診断や、黄疸の原因を調べるのに有効ですが、胆石や胆嚢癌の直接の診断はできません。

○胆嚢造影

 血管から造影剤を入れてX線写真を撮り、胆嚢の形や働きを調べる検査ですが、ほとんどの病気について超音波検査の方が優れており、最近はあまり行われなくなっています。

※胆嚢の病気の診断には超音波検査を受けるのが最善と思われます。

膵 臓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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○超音波検査

 お腹の表面から超音波をあてて診断します。肝臓・胆嚢などの検査といっしょにするのが普通です。
 慢性膵炎・膵石・膵癌などの診断ができますが、小さな早期癌の診断はまだまだ難しいというのが現状です。

○血液検査

 血液を採って膵臓の酵素などを測ります。膵炎の診断に有効ですが、膵臓癌の診断はかなり進んだもの以外は難しい状況です。

○膵管造影

 口から挿入した内視鏡を通して膵管に造影剤を入れ、X線写真を撮ります。
 膵炎・膵癌の診断ができますが、小さな早期癌の発見は困難です。

○超音波内視鏡検査

 先端に超音波装置の付いた内視鏡を口から入れ、胃や十二指腸越しに膵臓を見ます。
 普通の超音波検査より膵臓の近くから見られますので、より小さな癌の診断が可能です。
 しかし、検査時間は20〜30分位かかり、かなり大変な検査です。しかも膵臓の全ての部分が見えるというわけではなく、一般検査というより精密検査と考えた方がよいでしょう。

※膵炎・膵臓癌の検査としては超音波検査と血液検査を受けるのがよいでしょう。それらで問題点があるときに超音波内視鏡検査・膵管造影・CTなどの精密検査を受けるのが適切と思われます。

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